1｜冬の沖ノ島は“館山ダイビングの真価”があらわれる季節
千葉県館山市の沖ノ島と聞くと、多くの方がまず思い浮かべるのは「夏の海」。
海水浴場としてのイメージが強く、シュノーケリングや観光で賑わう季節が頭に浮かぶかもしれません。
しかし、ダイバーにとっての沖ノ島の“本当のベストシーズン”は、実は夏ではありません。
海が澄み、静けさが戻る 冬こそが、沖ノ島本来の美しさが全開になる季節 です。
冬の海は水温が低下する一方で、
・水が入れ替わり濁りが取れる
・プランクトンが減り透明度が上がる
・光の入り方がクリアになる
という条件が重なり、視界が夏より圧倒的にクリアになります。
とくに、浅場で光がよく入るポイント「黒根」では、
冬のクリアな水と独特の光が重なって、海の色彩と立体感が大きく際立ちます。
“冬の沖ノ島”は、ダイバーだけが知る特別な美しさがあるのです。
2｜黒根とは｜初心者にも優しい“浅場×平坦な根”の大人気ポイント
黒根は沖ノ島周辺で最も人気のあるワイドポイントのひとつです。
その理由は、黒根がもつ 3つの「安心」条件 にあります。
●① 水深12m前後の浅場で潜りやすい
黒根は水深が浅いため、耳抜きが苦手な方でもゆっくり潜降できます。
深場のような圧迫感がなく、視界も明るいので初心者や女性にも最適。
●② 地形がシンプルで安心
黒根は“平たい根”と言われるほど地形がフラット。
急斜面や入り組んだ地形が少なく、ガイドの姿を常に視界に入れやすいので迷う心配がありません。
●③ 光が入りやすく、いつ潜っても明るい
冬の低い太陽光は、浅場の黒根に柔らかな陰影を与え、根の凹凸を美しく照らします。
ワイド派にとって冬は特に撮影のチャンスが多い季節でもあります。
安心・安全に加え、“映える景色”を楽しめる。
この2つが同時に成立するポイントが黒根なのです。
3｜黒根の象徴：サンゴイソギンチャクの群生が冬に輝く理由
黒根を語るうえで欠かせないのが、根の上をびっしりと覆う サンゴイソギンチャクの大群生。
冬になると水がクリアになり、
・紫
・緑
・茶色
・水色
といった微妙に異なる色がはっきり現れます。
夏の濁りがちな水と違い、冬はひとつひとつの触手の色がくっきり見え、
“海の中に天然の絨毯が敷かれているかのような美しさ” を感じられます。
さらに、このイソギンチャク帯には多くの魚が住み着いており、冬はその動きもはっきり見えるため、黒根の魅力が倍増します。
4｜11月の黒根：冬色のピークを迎えたリアルレポート
ここでは、実際に 2025年11月24日の午前に潜った黒根の海況 をもとに、冬の黒根の魅力を具体的に紹介していきます。
●ムレハタタタテダイ（約50匹）
黒と白の縞模様が揃い、根の上を横断する姿はまさに“冬の黒根の代表風景”。
まとまりの良い動きはワイド動画に最適です。
●ミツボシクロスズメダイ（数百匹）
サンゴイソギンチャク帯に密集し、無数の黒い粒が舞う光景は黒根の“象徴的シーン”。
冬は透明度が高いため、細かい動きまでしっかり見えます。
●アカオビハナダイ（数百匹）
水中に太陽の光が差し込むと、オレンジ色の群れがキラキラ輝き、冬の黒根に美しい流れを生みます。
●ケラマハナダイ
赤紫〜オレンジ色の体色が浅場の光でよく映え、黒根の色彩に深みを与える存在です。
“冬の黒根は静けさの中で動きが際立つ”。
この言葉がぴったりのシーンが続きました。
5｜冬の黒根がファンダイブに最適な科学的理由
冬に黒根がコンディション最高になるのには、はっきりとした理由があります。
●① プランクトンが減る
冬は植物プランクトンが少なく、夏より濁りが減ります。
透明度が高くなる一番の理由です。
●② 水温差が安定して魚がまとまる
水温が均一になりやすいため、魚の群れがまとまりやすい季節。
群れが“散らばらない”のは冬ならでは。
●③ 海が静かになりやすい
冬は風の方向が安定しやすく、沖ノ島の南側に位置する黒根は特に影響が少ないため、穏やかな日が増えます。
つまり冬は
「透明度 × 魚の密度 × 海況の安定」
この3つが揃う季節 なのです。
6｜初心者・女性ダイバーに黒根が選ばれる理由
黒根はただ美しいだけではなく、
“不安を感じにくい海”
という特徴があります。
●① 浅くて明るくて怖くない
水深12mという浅場で、太陽光が常に差し込みます。
“暗くて怖い”という感覚がまったくありません。
●② ガイドとの距離が保ちやすい
地形がフラットなので、ガイドを見失う心配が少ないポイントです。
●③ 群れが多く飽きない
初心者にとっては“魚が多いだけで楽しい”もの。
黒根はどのラインを泳いでも生物と出会えるので、満足度が高くなりやすいポイントです。
7｜冬の黒根で“美しい写真”を撮るコツ
●ワイドは距離をやや取る
浅場の光を活かすには、引きの構図が最適。
背景の青とイソギンチャク帯が綺麗に入ります。
●群れの動線を読む
ムレハタタテダイやハナダイは一定方向へ反復するので、“来る方向で待つ撮影”が有効。
●自然光とライトを使い分ける
冬は自然光が強いので、ライトを持つ場合は照射角度に注意すると色が飛びません。
8｜冬ダイビングの快適性と安全性
沖ノ島ダイビングサービスマリンスノーでは、
冬のダイビングが快適に楽しめるよう 休憩は一度ショップに戻るスタイル を採用。
・温かい飲み物
・お菓子
・暖かい室内
・トイレの利用
・ウェアの調整
これらが可能なため、冬でも体を冷やさずに2本目へ向かえます。
また、黒根自体が
・流れが弱い
・潜降が安定
・浅場で浮力調整がしやすい
という条件のため、冬の初心者ダイビングにもぴったりです。
9｜黒根を120％楽しむためのポイント
黒根は“浅くて簡単だから誰でもOK”という意味ではありません。
楽しむためには以下のポイントを意識すると効果的です。
●① ゆっくり動く
冬の透明度ではダイバーの動きが写り込みやすいので、ゆっくり動くことで景観が安定します。
●② 浮力コントロールを意識する
浅場なので浮力変化が大きく、丁寧な調整が美しいダイブにつながります。
●③ ガイドの動きを見て学ぶ
生物の位置・潮の流れ・光の取り方など、ガイドの動きには全て理由があります。
10｜まとめ：冬の黒根は“初心者にも上級者にも最適な万能ポイント”
冬の黒根は、沖ノ島ダイビングの魅力をもっとも分かりやすく体現した場所です。
✔ 浅い
✔ 明るい
✔ 透明度が高い
✔ 群れが多い
✔ 色彩が豊か
✔ 流れが弱い
✔ 初心者でも楽しめる
✔ 写真派も満足できる
この条件が全て揃っているのは、館山でも黒根だけと言っても過言ではありません。
冬は“黒根の本当の美しさ”が現れる季節。
沖ノ島ダイビングサービスマリンスノーでは、冬の黒根ダイブを安全・快適に案内しています。
ぜひ一度、冬の沖ノ島で黒根の魅力をご体験ください。
忘れられない一本になるはずです。
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＊ 2025/12/17 おかぴー店長の気まぐれ日記 ＊
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