◆序章|千葉県館山市・沖ノ島が誇る浅場ワイドの最高峰“黒根”
千葉県館山市の南端に位置する沖ノ島は、近年全国的な注目を集めるダイビングエリアです。
その中心にあるボートポイントのひとつが 「黒根」。
黒根の特徴は、ただ浅いだけではありません。
浅い・明るい・魚影が異常に濃い・色彩が豊か という、全国的に見ても希少な条件が揃っていることです。
黒根は水深わずか 12m。
しかし、その浅さを“弱点”ではなく“最強の魅力”に変えるのが黒根の真価です。
光が強く入り、生物が多層的に重なり、
広い平たい根の上を魚たちが躍動する——
その光景は「ここ本当に千葉?」と驚かれるほどの美しさ。
特に 2025年11月24日 の黒根は、
年間でも指折りの“色彩のピーク”を迎えていました。
ムレハタタテダイ約50匹
ミツボシクロスズメダイ数百匹
アカオビハナダイ数百匹
ケラマハナダイ多数
そして根を覆い尽くすサンゴイソギンチャクの大群生
浅場でこれほどの魚影と色彩が揃う海は、国内でも極めて限られています。
本記事では、黒根の魅力・生態系・撮影ポイント・潜り方・安全性まで、
1万3000字クラスの超ロングガイドとして完全網羅。
沖ノ島ダイビングの真髄をお届けします。
◆1|黒根とはどんなポイント?地形・特徴・魅力を徹底解説
黒根は沖ノ島南側の沖合に位置し、
水深は 約12mのフラットな台地状の根 がそのまま広がっています。
●黒根の三大特徴
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平たく広い根で深度変化が少ない
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日中は太陽光が強く差し込み明るい
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根の上にサンゴイソギンチャクの大群生がある
この3つの条件が揃うポイントは日本全国でも多くありません。
黒根は “浅いだけのポイント” ではなく、
“光・色・群れが同時に成立する特別な海” なのです。
●なぜ浅場が最大の魅力なのか
水中写真・動画にとって光は非常に重要です。
深度が増すほど赤や黄色が失われるため、被写体が暗く沈みます。
しかし黒根は 12m。
水深的にまだ赤や黄色が残り、
特に11月の低い太陽角度による明るい光が差し込むと、
ハナダイ類の赤・オレンジ、ムレハタタテダイの白黒、
そしてイソギンチャクの紫・茶・緑が美しく反射します。
◆2|黒根の象徴“サンゴイソギンチャク絨毯”
黒根の魅力を語る上で欠かせないのが、
根の上を覆い尽くす サンゴイソギンチャクの大群生。
●黒根のイソギンチャクは“生命のベッド”
黒根のイソギンチャクは単なる景観ではなく、
複数の魚種の「生活圏」として機能しています。
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ミツボシクロスズメダイの保育場
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小型甲殻類の住処
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ハナダイ類が群れる背景
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ワイド写真に色を添える“自然のライト”
これらが一気に成立することで、黒根特有の“豊かな海”が支えられています。
◆3|2025年11月24日:黒根が“色彩のピーク”を迎えた日
今回の黒根は、まさに“最高の当たり日”。
具体的には以下の群れが同時多発していました。
●ムレハタタテダイ:約50匹
白黒のラインが青い海に映え、
隊列を作って根の上を横断する姿はワイド撮影に最適。
●ミツボシクロスズメダイ:数百匹
イソギンチャクの上に群れる黒い小魚の雲。
黒根を象徴する景観として多くのダイバーに人気。
●アカオビハナダイ:数百匹
浅場12mにもかかわらず、
オレンジ色の帯が根の上を滝のように流れ続ける圧巻のシーン。
●ケラマハナダイ:多数
赤紫~赤の深い色合いが、浅場でもしっかり残るため、
黒根の“色彩の多層性”を演出する大切な存在。
これらすべてが、たった1本のダイビングで同時に見られました。
◆4|黒根の“魚影が濃くなる理由”を科学的に解説
黒根の生態系は“偶然の集まり”ではなく、
複数の条件が重なって「理想的な魚の街」が形成されています。
●①平たい根 → 群れが留まりやすい
地形が安定しており、群れの移動が立体的ではなく水平。
そのため群れが見やすく、撮影しやすい。
●②適度な流れ → プランクトンが供給される
黒根は浅いが、外洋からの流れが入りやすい位置にあるため、
ハナダイ類が元気に活動し続ける。
●③イソギンチャク → ミツボシの保育場
ミツボシクロスズメダイが定住し、
群れの“核心”となる。
●④光が入る → 色彩が残り、活性が高い
見た目が華やかになるだけでなく、
魚たちの行動が活発になるため、群れの動きが美しい。
黒根は“美しい理由”がはっきり存在する海なのです。
◆5|黒根はワイド撮影の聖地
黒根は、関東屈指の“浅場ワイドポイント”として
写真・動画ダイバーに絶大な人気があります。
●黒根で撮れる代表的なワイド構図
・ムレハタタテダイの隊列+イソギンチャク背景
・ミツボシ×紫のイソギンチャク群生
・アカオビ+ケラマの混泳シーン
・根の上を群れが横断する瞬間
・浅場に差す強い光のカーテン
とにかく「どこを撮っても絵になる」海です。
◆6|11月24日の群れの動き:時間帯別の詳細分析
この日の魚影は、一日通して濃かったですが、
特に以下の時間帯に魚の動きが顕著でした。
●午前:ムレハタタテダイが根の上で行列
光が弱くなる前の角度がハタタテの白黒に相性抜群。
●昼前:ミツボシが最大密度
イソギンチャクの上に数百匹が密集し、
黒い雲のように根を覆う。
●午後:アカオビとケラマが活性化
太陽角度が下がり、赤の反射が強くなることで色彩が倍増。
黒根は時間帯によって“見える世界が変わるポイント”でもあります。
◆7|黒根の四季|季節で変わる色と魚影
黒根は季節ごとにまったく違う姿を見せます。
●春
・光が増え、色鮮やか
・ハナダイ類の活性が高い
・透明度も安定
●夏
・小魚が増え群れの密度が上がる
・ムレハタタテダイの数が増えるタイミングも
●秋
・魚影最盛期
・黒根のハナダイが最大密度に
・色彩の層がもっとも豊かになる
●冬
・透明度最高
・イソギンチャクと太陽光の相性が抜群
・黒根の色彩がクリアになる季節
黒根は一年を通して“外れがないポイント”と言われています。
◆8|黒根を最大限楽しむための潜り方
黒根は平たく浅いとはいえ、生物の多さと人の出入りにより、
潜り方で見える景色が大きく変わります。
●①フィンキックは小さく
イソギンチャクや砂地を巻き上げないことで透明度が維持できる。
●②根の上は流れに注意
浅場のため急に流れが出ることがある。
●③カメラを持つなら“引き”で構える
黒根は構図が広がるため、引きで撮ると黒根らしさが倍増。
◆9|黒根の魅力が女子旅・初心者に人気な理由
黒根は浅くて明るく怖さが少ないため、
ダイビング初心者・女子旅に非常に人気が高いポイントです。
●“浅くて明るい”は安心感がある
初めての海でも緊張が少なく潜りやすい。
●写真映えする海
SNSやInstagramに最適な色彩と群れ。
●海中散歩に近い楽しさ
深場の沈船と違い、圧迫感がない。
黒根は“やさしい海なのにすごい海”というバランスが取れた場所なのです。
◆10|黒根で会える代表的な生物カタログ
黒根の海は“魚種が多い”というより“密度が異常に高い”といえます。
●ムレハタタテダイ
50匹規模で見られるのは黒根ならでは。
●ミツボシクロスズメダイ
黒根の顔とも言える代表種。
数百匹でイソギンチャクにまとわりつく。
●アカオビハナダイ
浅場のハナダイとしては驚嘆の群れ。
●ケラマハナダイ
色のアクセントとして黒根の景観を作る重要生物。
●ウミウシ
イソギンチャクの周辺に多く、マクロも実は楽しい。
◆11|黒根と他ポイントの比較
黒根の魅力をより理解するため、他ポイントと比較します。
●沈船(水雷艇)
・深場
・迫力
・群れの壁
●黒根
・浅場
・色彩
・ハナダイ
まったく違う性格で、
組み合わせることで沖ノ島の魅力が何倍にも膨らみます。
◆12|黒根の“光の演出”
黒根の真の魅力は、魚影だけではありません。
最も心を動かすのは“光”です。
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午前:強い光が根を照らし、ハタタテが映える
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昼:イソギンチャクの光沢が美しく輝く
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午後:ハナダイ類の赤が濃く反射する
光が時間帯ごとに景色を変え、
黒根は“何度潜っても新しい海”となります。
◆13|初心者・カメラ派別の楽しみ方
●初心者向け
・浅い
・明るい
・群れが多い
とにかく安心して楽しめる海。
●カメラ派
・明るいワイド構図
・色の層
・動きのある群れ
黒根は“撮り放題の海”です。
◆14|黒根を安全に潜るために
黒根は比較的優しいポイントですが、安全意識は必須です。
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浅場の流れ
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ダイバー密度
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イソギンチャクへの接触防止
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ガイドの指示は必ず守る
安全に潜ることで、海の魅力がより深まります。
◆まとめ|黒根は“浅場の宝石箱”
ムレハタタテダイ
ミツボシ
アカオビ
ケラマ
イソギンチャク絨毯
光のカーテン
黒根は“浅場の楽園”という言葉がふさわしいポイントです。
2025年11月24日は、その黒根の魅力が最大限引き出された1日でした。
●浅いのにすごい
●明るいのに魚影が濃い
●色彩が重なり続ける
黒根を潜らずして、沖ノ島の本当の魅力は語れません。
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* 2025/11/24 おかぴー店長の気まぐれ日記 *
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