千葉県館山市にある沖ノ島は、東京から車で約2時間というアクセスの良さと、手つかずの自然が魅力のダイビングスポットです。とくに人気を集めているのが、沖ノ島の沈船(水雷艇)と黒根という2つのポイント。それぞれ異なる魅力を持ち、初心者からベテランまで幅広いダイバーに支持されています。この記事では、2025年5月12日に実施された実際のダイビング体験を元に、両スポットの見どころと海況、観察できた生物などをご紹介します。
【沖ノ島とは?】 沖ノ島は館山市の南部に位置し、陸地から砂浜を歩いて渡ることができる無人島です。周囲にはサンゴの群生や多様な岩礁地帯が広がり、シュノーケリングやスキューバダイビングに最適な環境が整っています。夏には海水浴場としても賑わい、春や秋は静かなダイビングが楽しめるのも魅力です。
沖ノ島は環境保護の観点からも重要な場所として知られています。陸上には希少植物が生息し、周辺海域では年間を通してさまざまな種類の海洋生物が確認されています。そのため、エコツーリズムや自然体験教育のフィールドとしても注目を集めています。
【沖ノ島沈船(水雷艇)とは?】 沖ノ島の北側に位置するこのポイントでは、旧日本海軍の水雷艇が水深23〜25mの海底に静かに横たわっています。全長約40mの船体は長年の海流と生物の営みによって表面が変化し、今では多くの魚たちの棲み処となっています。特にクロダイやアイゴ、メバルなどが群れを成しており、船体の周囲を回遊する姿はまさに圧巻です。
この水雷艇は第二次世界大戦中に使用されていた可能性が高く、沈没の詳細な記録は残っていないものの、戦後の歴史を水中に感じることができる貴重な遺構です。船体の一部にはソフトコーラルが付き始めており、季節によってはタカベやイシモチの大群が取り囲む様子も確認できます。
【2025年5月12日観測データ|沖ノ島沈船】
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最低水温:14℃
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最高水温:19℃
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平均水温:16℃
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透明度:約5m
この日の沈船ポイントは、早朝にかけて波が穏やかで透明度も安定していました。水中ではアイゴの群れとクロダイが船体の陰に集まり、活発に動き回っている様子が印象的でした。
【黒根ポイントの魅力】 黒根は沖ノ島の東側、平根と呼ばれるエリアに位置し、サンゴイソギンチャクの根など、バリエーションに富んだ地形が魅力です。ここではミツボシクロスズメダイやアカオビハナダイがイソギンチャクと共に生活しており、春から初夏にかけては繁殖のピークを迎えるため、その観察も楽しいです。
水底には小さなトンネル状の地形や、魚が隠れる窪みが点在しており、探検気分を味わえることも黒根ならではの魅力です。マクロ派のフォトダイバーには、ウミウシやコケギンポ、オトヒメエビなど小さな生物も豊富に観察できます。
【2025年5月12日観測データ|黒根】
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最低水温:18℃
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最高水温:19℃
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平均水温:18℃
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透明度:約3m
この日の黒根では、やや濁りがあるものの、日差しが強く水中に光が差し込むと幻想的な雰囲気に。ハタタテダイのペアや、岩陰に潜むカサゴ、ウツボの姿も見られました。
【観察できた主な生物】
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クロダイ
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メバル
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アイゴ
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アカオビハナダイ
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ハタタテダイ
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ウツボ
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カサゴ
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コケギンポ
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ミツボシクロスズメダイ
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サンゴイソギンチャク
【1日のスケジュールモデル】
08:30 沖ノ島ダイビングサービスマリンスノー集合、受付・ブリーフィング
09:30 1本目(沈船ポイント)エントリー・潜水時間約35分
10:30 休憩・軽食
11:30 2本目(黒根ポイント)エントリー・潜水時間約40分
13:00 ログ付け・記念撮影・シャワータイム
14:00 現地解散(希望者は周辺観光へ)
【沖ノ島周辺で立ち寄りたい観光スポット】 沖ノ島でのダイビングを楽しんだ後は、館山の陸上観光もぜひ体験してください。以下は、沖ノ島近隣で立ち寄りやすく、特におすすめの観光スポットです:
■ 城山公園(館山市立博物館) 館山のシンボルともいえる館山城がある公園で、標高約70mから館山市街や東京湾を一望できます。春は桜、初夏はツツジ、秋は紅葉と、四季折々の自然が楽しめます。公園内には館山市立博物館も併設され、房総の歴史を学ぶことができます。
■ 渚の駅たてやま 館山港に位置する複合施設で、地元の新鮮な魚介を使用した食事処や、水槽で地元の海の生き物を展示する「海辺の広場」、観光情報の発信ブースもあります。お土産を買うにも便利なスポットです。
■ 館山夕日桟橋 海へまっすぐに伸びる桟橋で、晴れた日には富士山や伊豆大島を遠望できます。特に夕方は、海に沈む夕日が桟橋を黄金色に染め、記念撮影にも最適な絶景ポイントです。
■ 沖ノ島自然観察路 沖ノ島には自然観察路が整備されており、ダイビングの前後に軽く島内を散策できます。希少な植物や昆虫、磯辺ではカニやヤドカリなどの生物も観察でき、自然を感じながらリフレッシュできます。
【館山グルメ紹介】ダイビングの後は、館山ならではの新鮮な海の幸や地元食材を活かしたグルメを楽しんでみてください。
■ 寅丸市場 地元の定置網漁で水揚げされた鮮魚を、その場で購入・飲食できる海鮮直売所兼食堂。刺身定食や海鮮丼が人気で、早朝から営業しているためダイビング前後の食事にも便利です。
■ 漁師料理たてやま 館山湾を望むロケーションで、漁師直営の豪快な海鮮料理を提供。特に「舟盛り定食」や「金目鯛の煮付け」が絶品と評判。ボリューム満点で観光客にも地元客にも愛される名店です。
■ まるへい民宿 敷地内にある「海辺の小さなプリン屋さんMARUHEI」は、館山産落花生を使用した『ピーナッツプディング』が名物。濃厚な風味とやさしい甘さが絶妙で、地元のスイーツとして人気を集めています。お土産にもぴったりな逸品です。
■ 木村ピーナッツ 館山産落花生を使った手作りピーナッツソフトクリームで有名。地元のお土産を探すにも最適で、加工品や焼き菓子なども豊富にそろっています。スイーツタイムや帰り道の立ち寄りにおすすめです。
■ 館山中村屋 館山駅前店 館山駅前にある老舗パン屋で、地元で愛され続ける名店。明治35年創業の歴史を持ち、昔ながらの製法で焼き上げたコッペパンやサンドイッチが人気。焼き立てのパンの香りに包まれながら、朝食や軽食を気軽に楽しめるスポットです。
【ダイバーの感想・体験談】 今回は、館山市在住の50代男性1名のお客様がご参加くださいました。以下はその方の感想です。
「久しぶりのダイビングでしたが、インストラクターのサポートが丁寧で、安心して沈船ポイントと黒根の両方を楽しむことができました。特に沈船は圧巻で、魚たちの群れに囲まれる体験は忘れられません。」(千葉県・50代男性)
【初心者・ブランクダイバー向けアドバイス】 沖ノ島でのダイビングは、初心者や久しぶりに潜るブランクダイバーにもおすすめです。特に水深が浅めの沈船ポイントは、落ち着いて潜ることができるため、安心して水中世界を楽しめます。
事前準備としては、5mm以上のセミドライスーツかドライスーツの着用がおすすめ。5月の水温は16〜18℃程度で、インナーやフードベストの併用が快適さのポイントです。
持ち物としては以下のものを推奨します:
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ドライスーツまたはセミドライスーツ(レンタルも可能)
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インナーウェア(ウールまたは速乾素材)
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替えのタオルと温かい飲み物
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ログブックとダイブコンピューター
インストラクターが事前に丁寧なブリーフィングを行うので、初心者の方も不安なく潜れます。また、浅場でのスキル確認を兼ねたウォーミングアップも可能です。
【なぜ沖ノ島が選ばれるのか?】 沖ノ島が多くのダイバーに選ばれている理由は、次のような点にあります:
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アクセスの良さ:東京・神奈川方面からも日帰り可能
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水中の多様性:沈船・地形・ソフトコーラル・季節の魚群が揃う
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サービスの充実:マリンスノーでは女性や初心者にも配慮した設備を整備
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陸上の楽しみも充実:観光・グルメ・温泉など一日楽しめる環境
館山という温暖な地域にありながら、四季の変化もはっきりと感じられる沖ノ島は、「また来たい」と思わせる力がある場所です。
【まとめ】 千葉県館山市の沖ノ島には、歴史的な沈船ポイントと、地形や生物が豊富な黒根エリアという、異なる魅力を持つ2つのダイビングスポットが存在します。初夏にかけての季節は水温・透明度ともに安定し、初心者からベテランまで多くのダイバーに適しています。
ぜひ一度、沖ノ島の海へ足を運び、自然と歴史が融合した水中世界を体験してみてください。
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* 2025/05/12 おかぴー店長の気まぐれ日記 *
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